T君はE子さんとデートしました。
Iさんに促され、重たい腰を上げて、御殿場まで会いにいきました。
E子さんは藤枝市出身で、現在は御殿場にある勤務先の病院の独身寮住まいです。
初めてのデート場所が、その独身寮なのです。
いきなり初対面の男性をひとり暮らしのお部屋に迎え入れるE子さんの神経が理解しかねます。
T君がどんな危険人物かわからないんですよ。
T君の風貌は暴力を振るうような危険性はありませんが、明らかに変質者です。
男慣れしているのかな?
E子さんは自慢げに10代の頃のアルバムを見せてくれたそうです。
今とは似ても似つかない別人のような風貌に、T君は一瞬引いてしまいました。
どう見ても普通じゃないんです。
ヤンキーそのもの。
アルバムは数冊もありました。
ほとんどがヤンキー仲間複数の男連中と抱き合っている写真集なのです。
それがE子さんの宝物でもあります。
これから交際が始まるかもしれない男性に、そういう写真を自慢げに見せるかしら?
E子さんはT君に写真集の感想を求めました。
T君は感激して「ありがとうございます」とお礼を言いったそうです。
よくわかりませんね。
E子さんが自分とは違う別世界の女性に見えたのです。
自分には手の届かない別世界に住む女性です。
良家の姫君じゃないんですよ。
こんなわたしでも好きなってくれるかしら?
という可憐な女心から見せた写真集であればいいんですけどね。
大きなどんでん返しが待っていそうな予感がします。
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